雲龍寺 様 (高山市若達町)
飛騨高山を京になぞらえ、数多い寺院を東山に建立した城主金森長近。雲龍寺もその一つなのですが、一方では長近の長子の菩提寺であった雲龍寺には、高山城の建築物である黄雲閣が移築されています。屋根の頂部に露盤と宝珠をのせた優美な鐘楼門は大変珍しく、市の文化財の指定を受けています。
本尊の間と後門柱、そして須弥壇一式という修復事業は、じつに270年ぶりというもので、平成の職人として大変貴重な体験でした。修復は曹洞宗特有の輝きを抑えた重厚な仕様で、塗りは「溜塗り総蝋色仕上げ」、金具は「総銀いぶし」です。
温度調節ができる工夫がなされている工房の『室』とは異なり、本堂の温度を25~30度、湿度を80~85%に調整しながら、漆を塗るのは想像以上に過酷な作業です。失敗すれば最初からやり直しというリスクを抱えながら、職人皆で神経を立てて漆の御機嫌を伺いました。
施工年月
平成16年4月~10月
ご修復内容